「AIを使えるようにならないと、これからヤバいのかな?」

「ChatGPTは一応使ったことがある。でも、検索くらいしかしていない」

「プロンプトとか自動化とか言われると、一気に難しそう……」

そんなふうに感じている事務職の方へ。

大丈夫です。

いきなりAIを“使いこなす”必要なんてありません。難しいプロンプトを覚えなくてもいいし、システム開発ができる必要もない。まずは、今日やっている仕事をひとつ、AIに手伝ってもらう。 それだけで十分です。

私は2024年末ごろから、ChatGPTやCopilotを仕事で使い始めました。当時は秘書業務をしていて、最初に使っていたのはメールやチャットの添削、議事録の整理、日報の作成など。今振り返ると、かなりシンプルな使い方です。

それでも、「これ、めちゃくちゃ仕事がラクになるじゃん!」と感じるには十分でした。

現在は企画や提案資料の作成だけでなく、Web制作、GAS、コーディング、システム開発などにもAIを使っています。AIがなければ、今の仕事量をこなすのにリアルに2〜3倍くらい時間がかかるんじゃないかと思うほどです。

でも、この記事でいきなりそこまでやりましょう、という話はしません。今回は、AI初心者の事務職の方にこそ試してほしい、実用的なAI活用を3つに絞って紹介します。

この記事で紹介する3つ

① メール・チャットを添削してもらう(=AIに「生成」してもらう)
② タスクの優先順位を壁打ちする(=AIに「考える」のを手伝ってもらう)
③ 地味な定型作業を自動処理してもらう(=AIに「作業」をやってもらう)

「検索」でしか使っていなかった人が、検索 → 生成 → 思考 → 作業と一段ずつ“手伝ってもらう範囲”を広げていく。そのためのハシゴだと思ってください。では、いきましょう。

ChatGPTを使ったことがある人でも、「○○について教えて」「この言葉ってどういう意味?」のように、検索エンジンの代わりとして使っている人はまだ多いと思います。もちろん、それも便利。でも、生成AIの面白さはそこから先です。

私が特に事務職の方に体験してほしいのは、生成すること。考えることを手伝ってもらうこと。そして、作業そのものをやってもらうこと。この3段階。まずは一番簡単なところから始めてみましょう。

① メール・チャットをAIに添削してもらう

この記事を読んで「とりあえず何かひとつやってみよう」と思ってくれたなら、私は真っ先にこれをおすすめします。自分が書いたメールやチャットをChatGPTに入れて、「添削して!」と頼んでみてください。 本当に、それだけでOKです。

自分の文章、本当に相手に伝わっていますか?

仕事って、思っている以上に文章を書いています。メール、社内チャット、取引先への連絡、報告、依頼、確認。ひとつひとつは数行かもしれません。

でも、その文章を読む相手が、「結局、何をしてほしいんだろう?」「どこが重要なんだろう?」「これってどういう意味?」と考えなければならない文章になっていたら、それだけで小さなコミュニケーションコストが発生します。

そして厄介なのが、自分で書いた文章ほど、自分では読みにくさに気づきにくいこと。 自分の頭の中には前提情報が全部入っているからです。そこでAIを、文章のダブルチェック役として使います。

私自身、秘書業務をしていたころはメールやチャット作成がかなり面倒でした。文章を書くこと自体というより、「失礼じゃないかな」「伝わるかな」「抜けている情報はないかな」と確認するのに地味に神経を使うんですよね。

そこにAIがもう一人のチェック役として入ってくれるだけで、かなりラクになりました。そして何より、読みやすくなる。

私自身、仕事でいろいろな人の文章を見てきましたが、AIに自分の文章を推敲してもらって、文章の質がまったく改善しなかった人は、ほとんど見たことがありません。

最初は「添削して!」だけでいい

AI活用の記事を読むと、立派なプロンプトがたくさん出てきます。でも、最初から全部やろうとすると面倒になります。だから最初は、「添削して!」これだけでいいと思っています。

それで便利さを感じたら、少しずつ条件を足していけばOK。たとえば私は、より精度を上げたいときに、こんな条件を渡します。

コピペOK|メール添削プロンプト

次のメールを添削して。
【目的】〇〇をお願いしたい
【相手】取引先(初めてのやり取り)
【条件】結論を先に/丁寧すぎない敬語/直した理由も一言ずつ添えて
【本文】↓ここに自分のメールを貼る

このあたりを伝えるだけでも、かなり自分好みの文章になります。

私は「相手ごと」にチャットを分けています

毎回同じ条件を書くのも面倒なので、私は相手ごとにチャットを分けています。たとえば「対社長用」「対A社様用」「社内向け」といった感じ。

最初に「この相手には結論を先に」「絵文字はこのくらい」「少し柔らかめ」「社外なので丁寧に」といった前提を共有しておけば、その後は文章を入れて「添削して」で済みます。

AI活用というと、ものすごいプロンプトを書くことだと思われがちですが、毎回同じ説明をしなくて済む環境を作る。 これも立派なAI活用です。まずは、今日送るメールを1通だけ。AIに見てもらってみてください。それだけでも、仕事はちゃんと円滑になります。

② タスク管理と優先順位をAIと壁打ちする

次におすすめしたいのが、タスク整理です。

「今日はこれとこれをやらなきゃ」「この案件、どこから手をつけよう?」「なんか忙しいけど、結局何を優先するんだっけ?」

こんな状態になること、ありませんか?私はAIを使う前より、頭の中だけで仕事を管理することがかなり減りました。やることを一度AIに全部出して、整理してもらいます。

コピペOK|タスク整理プロンプト

今日のタスクを、締切と重要度で優先順位をつけて整理して。あわせて「この順番で進めて問題ないか」「抜けている確認事項はないか」「今日中に終わらない場合はどれを明日に回すか」も指摘して。
【今日のタスク】

  • A社へ見積提出(17時締切)
  • 議事録作成
  • 請求書チェック

こうして壁打ちしていきます。

AIに決めてもらうのではなく、一緒に整理する

ここで大事なのは、AIに仕事の優先順位を全部決めてもらうという話ではありません。最終判断をするのは自分です。

でも、人間って頭の中だけで考えていると、「全部急ぎに見える」「気になっている仕事から手をつける」「考えるだけで時間が過ぎる」みたいなことが起こります。一度外に出して整理されるだけで、かなり見え方が変わるんですよね。

私は日々の業務予定や日報作成にもAIを使っていて、かなりの部分を省力化できました。朝は今日やることを整理する。仕事中は必要に応じて優先順位を壁打ちする。終業時には、その日の実績から日報と翌日のタスクを整理する。この流れができるだけでも、仕事の管理はかなりラクになります。

そして個人的に感じているのが、AIと壁打ちしていると、自分自身の「仕事の勘所」も少しずつ良くなるということ。

「この情報が足りないな」「先に確認したほうがいいな」「この伝え方では相手が判断できないな」といったことを、AIとのやり取りの中で何度も確認することになるからです。

AIを使う=考えなくなる、ではありません。使い方次第ではむしろ、考える回数を増やしてくれる相手になります。

③ 地味な定型作業を、AIに「自動処理」してもらう

そして、ぜひ一歩先で試してほしいのがこれ。作業そのものをAIにやってもらう。もし利用しているChatGPTのプランや環境で、Google Driveなどの外部サービスとの連携機能を使えるのであれば、ぜひ試してみてほしいです。

私はこういう機能を使って、

  • スプレッドシートの作成・更新
  • Googleドキュメントの作成
  • 管理表へのデータ追加
  • ファイル整理・ファイル名の変更

などをAIに任せています。

これ。事務職の人なら、たぶん分かってくれると思うんです。めちゃくちゃありがたい。

難しくない。でも、誰かがやらなきゃいけない仕事

「新しい案件が来たから管理表を更新しなきゃ」「議事録用のドキュメントを1個作らなきゃ」「フォルダに資料が溜まってるから名前を整えなきゃ」

こういう仕事。難しくはありません。でも、絶対に誰かがやらなきゃいけない。そして地味に時間を使う。事務職って、こういう作業の集合体でもあると思います。

以前なら、自動化しようと思ったらGASを書いたり、RPAを導入したり、ワークフローを設計したりする必要がありました。もちろん、複雑な業務を自動化するなら今でもそういった設計は必要です。

でも、すべての自動化がそこまで大掛かりである必要はありません。たとえば「このフォルダの資料のうち、命名規則に沿っていないファイルを定期的に確認して、ルールに沿ってリネームする」。これだって立派な自動処理です。

一度連携やルール設定をしてしまえば、その後は日本語で依頼できる。私はここに、事務職のAI活用におけるものすごく大きな可能性があると思っています。

「自動化=プログラミング」じゃなくていい

AIについて調べ始めると、GAS、API、RPA、ワークフロー、エージェント……いろいろな言葉が出てきて、「やっぱり難しいじゃん」となりがちです。

でも、いきなりそこまで行かなくていい。まずは、自分が毎週・毎月、何度も繰り返している“地味な作業”をひとつ見つける。 そして「これ、AIにお願いできないかな?」と考えてみてください。

管理表の更新でもいい。ファイル整理でもいい。いつも作っている定型資料でもいい。だまされたと思って、一度やってみてほしい。「自分でクリックして入力するのが当たり前」だった作業を、AIが代わりにやってくれた瞬間。たぶん、生成AIに対する見え方が一段変わります。

業務データを扱うときの注意

利用できる連携機能や操作範囲は、ChatGPTのプラン、接続しているサービス、会社側の管理設定や権限などによって異なります。業務データを扱う場合は、自社のAI利用ルールや情報管理ルールも必ず確認してください。

AIを使えば、勝手に「仕事ができる人」になるわけではない

ここまでAIの便利さを書いてきましたが、ひとつだけ伝えておきたいことがあります。AIを使えば、どんな仕事でも勝手に高品質になるわけではありません。

以前、AIをかなり使って作られたと思われる提案資料を見る機会がありました。文章量はものすごく多い。説明もたくさん書いてある。でも、何度も同じ話が繰り返されていて、「で、次に何をするの?」「誰が担当するの?」「判断するために必要な情報はどこ?」という部分が抜けていました。

AIは大量の文章を作れます。でも、この資料を何のために作るのか。誰に何を伝えるのか。相手に何を判断してほしいのか。そこまで勝手に決めてくれるわけではありません。AI=人工知能。自分の頭の中にない目的まで、逆立ちしたって出てくるわけではないんです。

これは、メールでも同じです。「文章を書いて」だけではなく、誰に・何を伝えて・どうしてほしいのか。ここは人間が持っておく。そのうえでAIに手伝ってもらえば、アウトプットの速度も質も一気に上げることができます。

「使いこなさなきゃ」と焦らなくていい。事務職こそ、AIを“味方”に

AIについて調べるほど、「こんなことまでできるんだ」と驚く一方で、「こんなの全部覚えられない」と思う人もいるかもしれません。

でも私は、全部使えるようになる必要なんてないと思っています。重要なのは、自分の仕事のどこをAIに手伝ってもらえるか、考えられること。

まずメールを添削してもらう。次に、今日のタスクを一緒に整理する。慣れてきたら、いつも自分でやっている定型作業をひとつ任せてみる。それで十分です。

私自身も、最初からシステム開発をしていたわけではありません。メールの添削や日報作成から始まりました。それが今では、以前なら自分にはできなかったコーディングやシステム開発まで、日本語でAIと会話しながら形にできるようになっています。

以前の私は、WebサイトやLPのディレクション・簡単なデザインまではできても、「実装」の部分では誰かの力を借りる必要がありました。今は、必要な機能やイメージを言語化できれば、自分でかなり先まで進められます。これは私にとって、かなり大きな革命でした。

知識と、言語化する力があれば、「自分には技術がないから」と諦めなくていいことが増えた。 AIの一番面白いところって、ここなんじゃないかと思っています。

「AIで事務職がなくなる」。そんな言葉を見ると、不安になる気持ちも分かります。でも、少なくとも今すぐ私たちにできるのは、AIを怖がって遠ざけることではなく、目の前の仕事を少しラクにするために使ってみること。

メールを1通読みやすくする。今日の仕事を整理する。5分かかっていた定型作業を任せる。その積み重ねだけでも、働き方はかなり変わります。

AIを完璧に使いこなす必要はありません。でも、AIに何を手伝ってもらえるか知っている人と、すべてを自分ひとりで抱える人では、少しずつ差が開いていく。 私は実際に仕事をしながら、そう感じています。

だからまずは今日、ChatGPTを開いて、自分が今から送ろうとしている文章を貼り付けてみてください。そして一言、「添削して!」 ここからで大丈夫です。

「私の仕事なら、AIで何ができる?」を一緒に考えます

nicof worksでは、AIを使って仕事をもっとラクにしたい方からのご相談もお受けしています。

「ChatGPTを入れたけれど、結局何に使えばいいか分からない」「自分の業務でAIに任せられるところを整理したい」「毎回やっているこの作業、自動化できない?」「社内でAIを活用したいけれど、どこから手をつければいい?」

そんな段階からで大丈夫です。ツールありきで考えるのではなく、まず今の仕事を聞いて、何を人がやって、何をAIに手伝ってもらうとラクになるのか。 一緒に整理します。

初回相談は1時間無料です

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AIを学ぶこと自体が目的ではありません。仕事を少しラクにして、空いた時間や頭を、もっと大事なことに使えるようにする。そのためのAI活用を、一緒に考えてみませんか?