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「一度フリーランスになったのに、会社員に戻るのって失敗なのかな」
もしそう感じている人がいたら、私はかなり強めに言いたいです。
全然、失敗じゃない。
私は23歳で会社員を辞めてフリーランスになり、思うように稼げず、途中からアルバイトとの掛け持ち生活になりました。そして25歳で、再び会社員へ。数字だけ見れば、「独立したけど稼げなくて会社員に戻った人」です。
でも私は、この期間を失敗だったとはまったく思っていません。
むしろその後、採用、広報、営業、経営企画、WEBマーケティングなど幅広い仕事を経験してきた今振り返ると、フリーランス・フリーターだった約1年半は、その後のキャリアにつながる重要な実践期間だったと思っています。
この記事では、個人では月2〜3万円ほどしか稼げなかった私が、なぜ会社員に戻ったのか。そして、フリーランスと会社員の両方を経験したからこそ分かったことを書いてみます。
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Toggle私が23歳で会社員を辞め、フリーランスになった理由
私がフリーランスになったのは、「会社員なんて嫌だ!自由に生きたい!」と思ったからではありません。
理由は、夫の転勤でした。
私は22歳で新卒入社し、広告代理店の営業として働いていました。ところが、結婚後に夫の仕事の都合で全国転勤についていく必要が出てきました。
次にどこへ行くのかも分からないし、東京へいつ戻れるのかも分からない。そうなると、勤務地が固定される会社員として働き続けることが難しかったんですよね。そこで考えたのが、「場所を選ばずにできる仕事を自分で作ろう」ということでした。
大学では服飾やデザインを学び、新卒では広告営業を経験していたので、グラフィックデザインを中心にフリーランスとして仕事を始めました。チラシや名刺など、印刷物のデザイン案件が中心です。
実際に仕事をいただけたときは、本当に楽しかったです。頭の中にあるアイデアが形になって、お客様にも喜んでもらえる。「やっぱりデザインの仕事は好きだな」と思いました。ただ、問題はそこではありませんでした。
一番きつかったのは「仕事をすること」ではなく「仕事を取ること」
フリーランスになって最初にぶつかった壁は、営業でした。
仕事をもらうために、SNSで発信したり、自分のホームページを作ったり、ポートフォリオをまとめたり、クラウドソーシングで案件を探して応募したり。コンペ案件では、採用されるかどうかも分からない状態で、先にデザインを作る必要があることもありました。
これが、想像以上に時間がかかります。しかも、当然ながら営業活動をしたからといって仕事になるとは限りません。
特につらかったのが、クラウドソーシングのデザインコンペでした。チラシ1枚を作るだけでも数時間かかるのに、採用されなければ売上は0円です。何時間も作業した結果、不採用で終わる。
これを何度か繰り返しているうちに、私は思いました。「この時間、アルバイトしていたらいくら稼げたんだろう……?」
私のフリーランス収入は月2〜3万円ほどだった
結果として、フリーランスとして受注できた案件はほぼ紹介経由でした。インターネット上には、デザイナーもデザイン会社も山ほどあります。そんな中で、WEB上の情報だけを見て「この人にお願いしたい」と思ってもらうのは、当時の私にはかなり難しいことでした。
クラウドソーシングについても、デザイン案件を追いかけ続けるのは効率が悪いと判断し、途中からはアンケートや簡単な事務作業など、比較的確実に報酬につながる仕事を選ぶようになりました。
それでも、デザインのフリーランスとしての収入は月2〜3万円ほど。2ヶ月目くらいには、生活費を稼ぐためのアルバイトをメインに切り替えていました。
全国どこでも働ける日雇いバイトとフリーランスを掛け持ち
とはいえ、その頃も夫の転勤生活は続いていました。勤務地を固定できなかったので、全国で案件のあるイベントスタッフの日雇いアルバイトをしながら、空いた時間でデザインの仕事を続けていました。
フリーランス一本で生活できたわけではありません。でも、場所に縛られず夫の転勤についていくという目的は果たせていました。だから当時の私にとっては、フリーランスになること自体が目的ではなく、生活に合わせて働き方を変えるための手段だったんだと思います。
東京へ戻り、飲食店で働き始めた
その後、夫の方が転勤生活に限界を感じ、転職活動を始めました。無事に東京へ戻ってこられることになり、勤務地を固定できるようになった私は、飲食店でアルバイトを始めました。
かなりシフトに入っていたこともあり、そこで社員にならないかと声をかけてもらいました。社会人経験もあったので、学生アルバイトと比べれば任せやすかったのだと思います(笑)。ありがたいお話でした。
でもそのとき、ふと考えたんです。「私は、ここで社員になりたいんだっけ?」飲食店の社員として働きながら、副業でデザインを続ける。それもひとつの選択です。ただ、それなら改めて、自分が今後積み上げたいキャリアを考えて会社員になった方がいいと思いました。
25歳、「第二新卒のカードを切るなら今」と再就職を決めた
最初に勤めた会社も規模の大きな会社でしたが、働き方はかなりハードでした。その経験もあったので、次は、大きくて安定していて、無理なく長く働ける会社を探しました。
さらに私は、未経験から事務系のキャリアへ移りたいと考えていました。25歳。第二新卒として転職できる今が、キャリアチェンジのチャンスだと思ったんです。
そこで未経験OKの経理求人に応募しました。ところが面接で、それまでの営業経験やデザインスキルをしっかり見てもらった結果、採用人事と社内広報を担当しながら、社内で使うグラフィックデザインにも携われるポジションを提案してもらえました。
事務経験を積みながら、大好きなデザインも続けられる。私にとってはかなり理想的な仕事でした。このオファーが、再び会社員になる決め手になりました。
ご注意
この記事では勤務先の具体的な社名は伏せています。
転職サービスは「求人を探す」だけでなく、自分の可能性を広げるためにも使える
私自身は、応募した求人そのものとは違うポジションを提案してもらったことで、その後のキャリアが大きく変わりました。
自分では「未経験だから事務職」としか考えていなくても、企業側から見ると、営業経験やデザインスキル、接客経験、フリーランス経験など、意外な組み合わせに価値を感じてもらえることがあります。
転職活動では、自分だけで求人を眺め続けるよりも、転職サービスやエージェントを使いながら、「自分の経験が、他の職種でどう評価されるのか」を知るだけでも意味があります。特に第二新卒や未経験転職では、自分が思っている以上に選択肢がある場合があります。
リモートワーク特化の転職支援
Remoful(リモフル)
「自分の経験が他の職種でどう評価されるか」を知るのに、エージェントとの面談はとても役立ちます。リモート求人に特化しているので、場所を選ばず働きたい人に。
- リモートワーク求人に特化
- オンラインで希望条件を無料相談できる
- 全国どこにいても案件を紹介してもらえる
会社員に戻って一番驚いたのは「仕事が毎日ある」こと
会社員に戻って、最初に感じたことがあります。それは、営業しなくても、仕事が毎日あるということでした。
これ、本当にありがたかったです。
出社すれば、やることがある。今日の仕事が終わっても、明日の仕事を探さなくていい。来月の仕事があるかどうかを心配しなくてもいいし、毎月決まった日にお給料が入ります。
フリーランス時代には、「来月、仕事あるかな」「今日営業しなかったら、その先の売上がなくなるかも」ということを常に考えていました。だから、明日の仕事を探す必要がないことが、この上なく心理的にラクでした。
フリーランス+アルバイト時代は、生活そのものが不規則だった
飲食店でアルバイトをしていた頃はシフト制で、早番も遅番もありました。暇なら早上がりになることもあれば、急に欠員が出てシフトを埋めることもあります。
その上、肉体労働で疲れて帰ってきてからパソコンを開き、メールを確認して案件を探したり、SNSを更新したり、営業をかけたりする。でも、そこまでやっても売上になる可能性の方が低い。今振り返っても、これは本当にしんどかったです。
会社員になってからは勤務時間も収入も安定し、生活リズムが一気に整いました。安定した仕事があることは、想像以上に生活の土台になります。
会社の看板を外して初めて、「個人で仕事を取る難しさ」を知った
私は新卒で広告営業をしていたので、フリーランスになる前から営業経験はありました。新規開拓もしていたので、当時は「営業なら経験あるし、何とかなるでしょう」くらいに思っていたところもあります。でも、実際にやってみると全然違いました。
会社員時代には会社の名前があり、既存顧客がいて、業界内での知名度もありました。つまり、自分が営業する前から、すでにある程度の信用が用意されていたんですよね。
一方、フリーランスでは、無名の「私個人」を信用して、お金を払って仕事を頼んでもらわなければいけません。会社の商品を売る営業と、自分自身を売る営業は、まったく別の難易度でした。
フリーランス時代に、一通りの顧客獲得を試した
結果として大きな売上にはつながりませんでしたが、営業活動はかなりいろいろ試しました。
- 紹介をお願いする
- ホームページを作る
- ポートフォリオを整える
- SNSで発信する
- クラウドソーシングに登録する
- 案件に応募する
やってみて分かったのは、営業は一度接触しただけではほとんど仕事にならないということでした。相手を知る必要があるし、自分のことも知ってもらわなければいけない。信頼を積み重ねるには継続的な接点が必要で、営業先を理解するためにもかなり時間を割かなければいけません。
これは今、営業や経営企画の仕事をする上でもかなり役に立っています。
クラウドソーシングは「稼ぐ場所」だけでなく、市場を見る場所にもなる
私自身、クラウドソーシングでデザイン案件を大量に受注できたわけではありません。むしろ、コンペ案件に何時間も使って報酬0円という経験もしています。なので、「クラウドソーシングに登録すれば簡単にフリーランスになれる」とは思いません。
ただ、どんな仕事が募集されているのか、いくらくらいで発注されているのか、どんなスキルが求められているのか、未経験でもできる仕事は何かを見るには、とても分かりやすい場所です。
私のように、最初はデザイン案件を探しつつ、難しければアンケートや事務作業などから始めることもできます。いきなり独立するのではなく、副業や小さな仕事から市場を見てみたい人には、試してみる価値があると思います。
日本最大級のクラウドソーシング
クラウディア(Craudia)
私のように、まずはどんな仕事がいくらで募集されているのかを見るだけでも意味があります。ライティング・デザイン・Web制作など幅広い案件があり、登録は無料です。
- ライティング・デザイン・Web制作など幅広い案件
- クライアント手数料無料で使える
- まずは無料登録して市場を見るところから
WEBマーケティングを「自分のお金」で試して、初めて腹落ちした
フリーランス時代に得たものの中でも、今かなり活きているのがWEBマーケティングの感覚です。
私は新卒で広告代理店に入り、マーケティングや広告については仕事として学んでいました。お客様に広告を提案したり、予算に合わせて施策を考えたりしていたので、知識としては理解していたつもりです。
でも今振り返ると、どこか手触り感がありませんでした。たぶん理由は単純で、自分のお金ではなかったからだと思います。
広告を出す側も会社で、提案する私も会社員。「予算があるなら、この施策をやりましょう」と考えることはできても、その数万円、数十万円が本当に回収できるのかという感覚を、自分事として持ててはいませんでした。それが、フリーランスになって一気に変わりました。
ホームページを作る。SNSを運用する。広告や販促に時間とお金を使う。そのすべてが、自分の財布と自分の時間から出ていきます。しかも、使ったからといって必ず仕事になるわけではありません。
そこで初めて、集客導線を持つことが事業にとってどれだけ重要なのか、そして同時に、WEBマーケティングは、お金や時間をかければすぐ成果が出るような簡単なものではないということを、身をもって理解しました。
HPもSNSも広告も、それぞれちゃんと強みがあります。でも、どれも作った瞬間にお客様を連れてきてくれる魔法ではありません。育てるためには時間が必要だし、本気で成果を出したいなら、広告費を投じるか、人的リソースをしっかり割く必要があります。
今、中小企業のWEBマーケティング支援に関わる中で、私が施策のメリットだけでなく、コストや運用負荷まで含めて話せるのは、この経験が大きいです。
広告代理店時代に学んだ知識が、フリーランス時代に自分のお金と時間を使ったことで、ようやく自分の中でつながった。この経験は、今振り返ってもかなり大きな財産だったと思っています。
税金や契約について学んだことも、今の仕事に生きている
フリーランスになると、会社員時代には会社がやってくれていたことも自分で考える必要があります。税金や確定申告、経費、個人事業主としての手続きについて調べたほか、仕事を受ける中で、雇用契約と業務委託契約は何が違うのかといったことも学びました。
現在は経営企画として契約や業務設計に関わることもありますが、このとき学んだことはかなり役に立っています。月に数万円しか稼げなかった時期ではあります。でも振り返ると、営業、マーケティング、税務、契約を自分自身で体験した期間でもありました。
だから私は、フリーランス時代を失敗だと思っていない
数字だけを見れば、私のフリーランス生活は成功とは言いにくいです。月商は2〜3万円で、早々にアルバイトが収入の中心になりました。でも、稼げなかったけれど、やった価値はかなりあった。これははっきり断言できます。
会社という枠を外した瞬間に、仕事をもらうことがどれだけ難しいのかを知りました。会社の看板なしで営業する難しさも、WEB集客の大変さも知りました。税金や契約についても学びました。
そして何より、会社に所属するだけで仕事が安定して供給されることのありがたさを知りました。これらは、会社員しか経験していなかったら分からなかったことだと思います。
今もう一度フリーランスになるなら、まず「余力」を作る
もし今の私が、もう一度フリーランスになるなら。昔のように、仕事が必要になってから慌てて営業を始めることはしません。最初に考えるのは、営業活動に割けるお金と時間がどれくらいあるのかです。
私は今も有名人ではないし、顔出しもしたくありません。だから個人向けなら、匿名でも集客できるWEB導線を育てる必要があります。法人から仕事を受けたいなら、できるだけ対面で人と会って、コミュニティに参加して、顔をつなぐ。「この人に仕事を頼みたい」と思ってもらえる関係を作ることも必要です。
そして、それには時間がかかることを前提にします。
実際、私は今、会社員として生活の収入を確保しながら、少し先の未来に向けて種まきをしています。ホームページやSNSを育てたり、コミュニティに参加したり、露出を増やしたり。生活費を今すぐそこから回収しなくていいからこそ、時間をかけられます。
この「余力があるうちに営業基盤を作る」という考え方は、当時の私にはありませんでした。
今はAIという、昔にはなかった強い味方もいる
もうひとつ、当時と今で大きく違うものがあります。AIです。昔は、ホームページを作ることも、文章を書くことも、営業資料を作ることも、SNSを更新することも、ほぼ全部自分でやる必要がありました。今は、その中のかなりの部分をAIにサポートしてもらえます。
私自身、一度すべてを人力で経験しているからこそ、どこをAIに任せて、どこを自分でやるべきかも判断しやすくなりました。営業やマーケティングの作業コストを大きく下げられることは、これから個人で仕事をする人にとってかなり大きいと思います。
フリーランスから会社員に戻るのは、負けじゃない
「一度独立したのに、会社員へ戻るのが恥ずかしい」
もしそう感じている人がいたら、私は言いたいです。まったく恥ずかしくないし、負けでもありません。
人生はその後も続きます。
今は会社員になる。またチャンスが来たら、フリーランスになる。副業する。また会社員になる。そのときの自分に合った働き方を選べばいいと思います。
一度フリーランスになったからといって、一生フリーランスでいる必要なんてありません。逆に、一度会社員に戻ったからといって、もう独立できないわけでもありません。
働き方は、何度変えたっていい。
挑戦した経験は、あとから別の形で回収できる
私の場合、23歳で始めたフリーランスは大きく稼ぐところまで育ちませんでした。でも、その経験は後になって、営業やWEBマーケティング、経営企画、契約、個人事業など、今の仕事のいろいろなところで回収できています。
だから私は、芽が出るまで続けるなら、途中の失敗なんて成功するための経験でしかないと思っています。やってみたいと思うだけではなく、実際にやる。失敗するかもしれないけれど、試す。私は、挑戦して実行したこと自体に大きな価値があると思っています。
会社員でもフリーランスでも、幸せであればそれでいい
そして最後は、これです。
人生は、仕事で成功するためだけにあるわけじゃありません。仕事で多少失敗したっていいし、肩書きが変わったっていい。会社員だろうが、フリーランスだろうが、アルバイトだろうが、今日が楽しくて、生活が充実しているなら、それでいいと思っています。
働き方は、自分を幸せにするための手段のひとつです。フリーランスから会社員に戻ろうか迷っているなら、自分が今、一番心地よく暮らせる選択をしてほしいと思います。会社員に戻ったって、またやりたくなったら挑戦すればいい。
人生はまだまだ続きます。
フリーランスだろうが会社員だろうが、幸せであれよ!