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「リモートワークができる環境、本当にありがたかった。」

私は妊娠するずっと前から、フルリモート・フルフレックスという働き方のおかげで、毎日をより有意義に過ごすことができていました。その理由は、私が「家で過ごしたいタイプ」だからではありません。むしろ私は、仕事が好きで、やると決めたらとことん向き合いたいタイプです。

だからこそ、この働き方が自分に合っていました。私にとって時間は、とても大切な資産です。誰にとっても一日は24時間しかありません。だからこそ、その限られた時間をどう使うかを、いつも意識してきました。

フルリモートなら通勤時間はゼロ。

往復1〜2時間かかる人なら、その時間を仕事や勉強、家事、自分のための時間に使えます。仕事が忙しい日は、少し早く仕事を始めたり、夕方以降に続きを進めたり。反対に落ち着いている日は、始業時間ギリギリまで家事をしたり、本を読んだり、資格の勉強をしたり。

フレックスタイム制度のおかげで、「今日はどうしても会いたい人がいる」「平日のイベントに参加したい」と思った時も、予定を調整しやすい。時間に縛られるのではなく、自分で時間を設計できる。それが私にとって、何より魅力的でした。

そして、私が特にありがたいと感じていたのが、仕事に思い切り向き合えることでした。仕事が立て込んで、「今日はもう少し頑張りたい」と思う日もあります。

そんな時、会社にいると、帰宅時間が遅くなることを家族に心配されたり、「まだ仕事なの?」と連絡が来たりすることもあります。女性なら、「夜遅いのは危ないよ」と心配された経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

場合によっては、「本当に仕事なの?」なんて、余計な誤解を受けてしまうこともあるかもしれません。もちろん、それは家族が大切に思ってくれているからこその心配です。でも、頑張りたい日に限って、そうした心配がプレッシャーになることもありました。

その点、リモートワークなら、夜まで仕事をしていても私は家にいます。「今日は残業するね。」と一言伝えれば、それだけで済む。帰宅時間を気にする必要もありません。

夜道を歩く心配もありません。

だから私は、「あと30分だけ」「ここまで終わらせてからにしよう」と、自分が納得できるところまで仕事に向き合うことができました。私にとってリモートワークは、「家でのんびり過ごすための制度」ではありませんでした。

もっと思い切り働きたい人の背中を押してくれる働き方でした。だから、妊娠前からずっと、この環境に助けられてきたんです。ところが妊娠してからは、その価値を違う角度から実感するようになります。

妊娠して、「助かる理由」がまったく変わった

妊娠前の私にとって、リモートワークは「時間を有効活用できる働き方」でした。でも妊娠してからは、その価値が大きく変わります。今度は、「身体をいたわりながら働ける環境」になったんです。

幸い、私はつわりによる激しい嘔吐症状はありませんでしたので、比較的軽いほうだったと思います。それでも、妊娠すると身体にはさまざまな変化が起こります。

眠気。

疲れやすさ。

頻繁に行きたくなるトイレ。

喉の渇き。

お腹の張り。

どれも病気ではありません。

でも、その一つひとつが積み重なることで、これまで何気なくこなしていた仕事にも、小さな負担が増えていきます。そんな中で、「自宅で働ける」という環境に、私は何度も助けられました。

妊娠前は、「時間を有効に使うため」の働き方だったリモートワーク。妊娠してからは、「身体を守りながら働くため」の働き方へ。同じ制度なのに、人生のステージが変わるだけで、その価値はこんなにも変わるんだ。それは、妊娠して初めて知ることができた、大きな気付きでした。

リモートワークだからこそ助かった5つのこと

通勤がないことは、想像以上に身体への負担が少ない

妊娠して改めて感じたのは、通勤は思っている以上に体力を使うということでした。私は幸い、妊娠中も基本的にリモートで働くことができました。毎朝満員電車に乗る必要もなく、駅まで歩いたり、乗り換えたりする必要もありません。

「仕事を始める」ということだけに集中できる環境は、本当にありがたかったです。特に妊娠後期になると、お腹が大きくなり、歩くスピードも自然と遅くなりました。階段を上るだけで息が上がる日もあります。

もし毎日通勤していたら、仕事を始める前の時点で、かなり体力を消耗していたと思います。「通勤がない」というのは、単に移動が楽になるという話ではありません。一日の限られた体力を、仕事や生活のために残しておける。妊娠して初めて、その価値を強く実感しました。

トイレまで30秒。この距離が本当にありがたかった

妊婦さんによくある変化の一つが、トイレが近くなることです。

「さっき行ったばかりなのに。」

そんな日も珍しくありませんでした。自宅なら、席を立って30秒ほどでトイレに行けます。でも一般的なオフィスでは、共用部のお手洗いまで往復5分ほどかかることもありますよね。一回だけなら、それほど大きな差には感じないかもしれません。

でも、それが一日に何度も続くと話は別です。移動する負担もありますし、「また席を立つな」と無意識に周囲へ気を遣うこともあると思います。

家なら、その心配はありません。

必要なタイミングですぐに立ち、仕事の流れを大きく止めることなく戻ってこられます。たった数分の違いですが、その積み重ねは妊娠中の身体にとって本当に大きなものでした。

「今日はこうしたい」をすぐ実現できる

妊娠中は、本当に毎日コンディションが違います。朝は水を飲んでいたけれど、今日は口の中が乾くからレモネードに変えよう。少し身体が冷えるから、温かい飲み物を淹れよう。今日は胃が重いから、お昼ご飯は軽めにしよう。今日は鉄分を意識した食事にしよう。

そんな小さな調整を、その場ですぐにできることも、自宅で働く大きなメリットでした。一つひとつは、本当に些細なことです。でも妊娠中は、その「ちょっとした快適さ」が、一日の過ごしやすさや集中力を大きく左右します。

その日の身体と相談しながら、必要なものをすぐに選べる環境には何度も助けられました。

身体に合わせて、働き方を調整できた

妊娠中は、毎日同じコンディションではありません。

今日はお尻がしびれる。

今日は足がむくむ。

今日はなんだか息苦しい。

そんな日も珍しくありませんでした。リモート勤務で本当に助かったのは、その日の身体に合わせて、仕事のやり方を柔軟に変えられたことです。例えば、長時間座っていると、お尻がしびれて椅子に座っているのが辛くなる日がありました。

そんな時は、床に座って仕事をすることもありました。足のむくみが気になる日は、昇降デスクを立ち姿勢に切り替えて、ステッパーを踏みながら仕事をしていました。少し足を動かして血流を促すだけでも、身体がずいぶん楽になるんです。

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妊娠中は、胸の張りやブラジャーの締め付けで、なんとなく息苦しく感じる日もありました。そんな日は、自宅だからこそ、誰にも気を遣わずブラを外して仕事をすることもありました(笑)。オフィスでは難しいことでも、自宅なら、その日の体調に合わせて環境を調整できます。

そのおかげで、身体への負担を減らしながら、仕事にも集中できました。リモート勤務の魅力は、ただ休みやすいことではありません。その日の自分に合わせて、一番パフォーマンスを発揮しやすい環境を自分でつくれること。私はそこに、大きな価値を感じています。

お昼休みを、しっかり回復時間にできた

勤務時間中はしっかり仕事をする。

だからこそ、お昼休みは思い切り休んでいました。妊娠中は、とにかく午後の眠気が強い日があります。そんな日は、ご飯を食べたあとに20〜30分だけ昼寝。

これが、本当に助かりました。

少し眠るだけで、午後の集中力がまったく違います。日によっては、昼寝ではなく、軽くストレッチをしたり、洗濯物を回したり、夕飯の下ごしらえをしたりすることもありました。その日の体調や生活に合わせて、休憩時間の使い方を自分で選べる。

この積み重ねがあったからこそ、午後もしっかり集中して働くことができたのだと思います。

それでも、リモートワークは決して楽な働き方ではない

ここまで読むと、「リモートワークって最高じゃない?」と思われるかもしれません。実際、私自身もリモートワークには大きなメリットを感じています。ただし、決して誰にとっても楽な働き方ではありません。むしろ、リモートだからこそ難しいこともたくさんあります。

リモートワークやフルフレックスは、とても自由です。でも、その自由は「放任」と紙一重でもあります。誰かが隣で進捗を管理してくれるわけではありません。「今日はこれをやってください」と、毎日細かく指示が出るわけでもありません。

私の仕事は、複数のプロジェクトが同時に進んでいくことがほとんどです。今日すぐに終わらせる仕事もあれば、数週間後、数か月後のゴールに向けて進める仕事もあります。

「今日中に必ず対応しなければならない仕事」が少ないからこそ、自分で計画を立てなければ、気付いた時には何も終わっていないということも起こり得ます。そして、そのツケは最終的に自分へ返ってきます。締切直前に仕事が集中し、気付けば仕事まみれになる。

リモートワークには、そんなリスクもあります。だからこそ、自分で優先順位を決め、自分でスケジュールを立て、自分で進捗を管理する力が必要です。そして、監視の目がなくても仕事に集中し、自分を律する力も欠かせません。

私は秘書や経営企画の仕事をしてきたこともあり、細かくマネジメントされるよりも、自分で仕事を整理し、期限から逆算して動くことに慣れていました。複数の案件を同時に進めながら、何をいつまでに終わらせるかを自分で決める。

そうした働き方と、リモートワークの相性が良かったのだと思います。一方で、これまで毎日の業務内容が明確に決まっていた方や、上司やチームから細かく指示を受けながら仕事を進めてきた方にとっては、最初は難しく感じることもあるかもしれません。

これは、能力が高いか低いかという話ではありません。その人が経験してきた仕事の進め方と、リモートワークとの相性の話です。自由だからこそ、自律力と集中力が求められる。それが、実際にリモート中心の環境で働いてきた私の率直な感想です。

復帰後の働き方には、正直まだ不安がある

正直に言うと、産休・育休から復帰した後の働き方には、少し不安があります。今は仕事をしている時間は、自分のためだけに使えます。でも、子どもが生まれたらそうはいきません。子どもが保育園から帰ってきたら、きっと私は仕事に集中できないと思っています。

もちろん、自宅保育をしながら上手に仕事をされている方もいらっしゃいます。これはあくまで、私自身の性格や仕事のスタイルを考えた上での考えです。私は、一つのことにじっくり向き合う仕事が多くあります。資料を作ったり、文章を書いたり、企画を考えたり。

そういった仕事は、途中で何度も中断されると、どうしてもアウトプットの質が落ちてしまいます。

仕事も中途半端。

子どもとの時間も中途半端。

それだけは避けたい。

だから私は、仕事をするときは仕事に集中する。子どもと過ごすときは、その時間を思い切り楽しむ。そんなメリハリのある働き方を目指したいと思っています。そのためにも、復帰後は保育園を利用する予定です。限られた勤務時間の中で、しっかり成果を出す。

それが、私の目標です。

だから今、「AIにも働いてもらう」を練習している

限られた時間で成果を出すために、今一番力を入れていることがあります。それが、AIを仕事のパートナーにすることです。最近は「AIに仕事を奪われる」という話を耳にすることもあります。

でも、私の考えは少し違います。

私は、AIにも働いてもらうという感覚なんです。例えば、文章のたたき台を作ってもらう。

アイデアを整理してもらう。

資料の構成を一緒に考えてもらう。

もちろん、最後に判断するのは自分です。でも、一人でゼロから考える時間を減らせるだけでも、仕事の進め方は大きく変わります。子どもが生まれたあと、今までと同じように時間を使えるとは思っていません。

だからこそ、「私が頑張る時間」を増やすのではなく、「AIにも働いてもらう時間」を増やしたい。

これは、私なりの働き方改革です。

働き方は、人生に合わせて変わっていい

妊娠前の私は、リモートワークを「時間を有効活用するための働き方」だと感じていました。妊娠中の私は、「身体をいたわりながら働ける働き方」へと、その価値が変わりました。

そして、子どもが生まれた後は、「限られた時間でも成果を出せる働き方」が、きっと一番大切になっていくのだと思います。私はリモートワークが好きなのではなく、「自分で成果を出せる環境」が好きなんだと思います。妊娠前は、その環境が「時間を有効に使えること」でした。

妊娠中は、「身体をいたわりながら働けること」に変わりました。そしてこれからは、「限られた時間でも成果を出せること」が、私にとって大切な価値になっていくのだと思います。同じ働き方でも、人生のステージが変われば、その価値は変わります。

だから私は、働き方も固定するものではなく、その時々の自分に合わせてアップデートしていきたい。リモートワークも、そのための選択肢の一つ。

AIも、そのための選択肢の一つ。

「何が正解か」ではなく、「今の自分に何が合っているか」。その答えは、きっとライフステージが変わるたびに少しずつ変わっていくのだと思います。今回の妊娠を通して、私はリモートワークという制度のありがたさを改めて実感しました。

でも、本当にありがたかったのは制度そのものではありません。その時々の自分に合わせて働き方を変えられる「選択肢」があったことです。これからも、その時の自分に合った働き方を選びながら、仕事も、家族との時間も、どちらも大切にしていきたいと思っています。